七草粥
目を閉じて七草粥をすすりけり
朝の食卓に、湯気をたてながら七草粥の椀が並ぶ。
淡雪のような粥の白さの中に、鮮やかな緑が広がっている。
粥を一口すすると、だらだらと怠惰な時間を過ごした体の中に
清らかなものが降りてくる気がする。
昨日は、義父の命日だった。
午後から義母と二人で墓参に行った。
墓所には人影もなく、霜柱に押し上げられた土が日にさらされて
樹皮のようにぺらぺらとめくれ上がっていた。
わたしが墓石に水をかけ、義母が白い菊を手折って花立てにさす。
「あっという間に、二十年もたっちゃったねえ。」
義父が亡くなった翌月、生まれ変わりのようにこの世に生を受けた次男も
もうすぐ成人式を迎える。本当に早いものだなあ・・・
帰り道は、少し遠回りをして車を走らせた。
青くなだらかに裾野をひいた赤城山は、一年で一番美しいと思う。
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