七草粥
音たてて七草刻む厨かな
娘と息子は東京に戻り、また大人三人だけの静かな暮らしが戻ってきた。
昨日、夫が七草を摘みに行こうという。「スーパーにパックが売ってるのに・・・」と言うと、「あれじゃあダメなんだよ。」とにべもない。昔なら家の裏手のあぜ道を歩けば、せりもなずなも簡単に採れたのに、年々採取が困難になる。そこで、土地カンのある友人からとっておきの場所を教えてもらったのだという。
赤城山を臨むのどかな田園風景の中、「熊注意」の看板が立っていた。しかし、夫はずんずんとあぜ道を進んでゆく。どこに七草があるのだろう。わたしには雑草の群れにしか見えない。足元から冷気が伝わってきて背筋がぞくっとする。しばらくすると、「あったよ~」と高々と右手を上げて、夫がこちらに歩いてきた。一番探すのが難しいと思われていた「ゴギョウ」はやわらかいうすみどり色で「母子草」とも呼ばれている。「はこべら」はカイワレのような感じ。山岳部OBは植物にはめっぽう強いのだ。せりは川に下りて探した。唯一わたしが見つけたのは、なずなだけだった。これでなんとか五種。すずな、すずしろは調達できないのでスーパーに買いに行く。七草粥の準備が整った。
つややかに炊き上がったお粥を椀に盛る。一月六日は義父の命日だ。「このお粥を一口食べさせてあげたかったねえ。」仏壇に供えながら義母がぽつりと言う。寒風の中で摘んできた緑が、白い粥にほぐれてゆく。
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コメント
乙女座さん。コメントありがとうございます。わたしもwebでの俳句の学びの難しさを痛感しています。わたしでお力になれることがあればなんなりと。メールをいただければ幸いです。
投稿: しだり | 01/10/2008 10:14
しだりさん、しみじみと読ませて頂きました。
俳句に対するしだりさんの譲れぬもの、分るような気がします。
私も現在webでの結社(と言えるかどうか)に所属していますが、色々と問題有りで悩んでいるところです。そのうち少しずつ聞いて頂きたいと思っていますが、宜しいでしょうか?
もっと厳しいところで修行したいと思っているのですが…
投稿: 乙女座 | 01/09/2008 21:55